生成した絵が色あせて見えるんだよね…
そんなときはVAEの出番かも💡
Stable Diffusionで生成した絵が色あせて見えたり、色が薄いように感じたことはありませんか?
下の2枚の絵は「夏の海」をイメージして私が生成した絵ですが、なんだが「色あせた写真」のようで、あまり爽やかな感じがしません。
私も今まで「どうしてこのモデルで生成した絵はこんな色が薄いんだろう?」と思っていました。このモデルの仕様なのかな、と。
でも、それは多くの場合「VAE」を使うことで解決できます。
本記事では、色を鮮やかにできるVAEの導入方法について解説します。
VAEとは
VAEは「変分オートエンコーダー」という画像を生成するAIの一種です。
仕組みはさておき、Stable Diffusionにおいては、VAEは絵の色味を調整してくれる機能と考えておいていいと思います。
VAEの効果
VAEの効果を端的にいうと、色を鮮やかにしてくれるということです。
モデルによっては、生成された絵の色がぼんやりしている(彩度が低い)ことがあります。
これは多くの場合、VAEを適用することで色が鮮やかにすることができます。
VAEにもいくつか種類があるのですが、現在、もっともスタンダードで汎用的に使えるVAEは「vae-ft-mse-840000-ema-pruned」です。ひとまずこれを導入しておけば問題ありません。
VAEの導入
vae-ft-mse-840000-ema-prunedの導入方法と使い方を解説します。
vae-ft-mse-840000-ema-prunedを導入する
Hugging Faceにアクセスして、「vae-ft-mse-840000-ema-pruned.safetensors」というファイルをダウンロードしましょう。
ダウンロードしたファイルを、Stable Diffusion WebUIがインストールされているフォルダの、
stable-diffusion-webui > models > VAE に移動させます。
Stable Diffusion WebUI の「Settings」タブを開き、左側メニューの「Stable Diffusion」を選択します。そして、「SD VAE」の右側にある更新ボタンを押します。
これで導入は完了です。
このVAEを適用して画像生成したいときには、先ほどの Settings > Stable Diffusion の「SD VAE」のプルダウンをクリックします。
すると、以下のような選択肢が出るので、「vae-ft-mse-840000-ema-pruned.safetensors」を選択しましょう。
・Automatic
・None
・vae-ft-mse-840000-ema-pruned.safetensors
「Apply settings」をクリックして設定を適用し、「Reload UI」をクリックしてUIを再読み込みします。
あとはいつも通りに画像生成するだけです。
VAEのあり/なしで生成された絵を見比べてみましょう。
「VAEなし」の絵は色がくすんで、全体的にぼやっとして見えます。「VAEあり」の方は色の鮮やかさが増していることがわかりますね。
わぉ!夏らしい色味になったよ♪
絵がくっきりとした印象になりましたね✨
VAEを簡単に切り替える方法
すべてのモデルでVAEを適用すればいいというわけではありません。モデル自体にVAEがすでに組み込まれているなどの理由で、VAEを適用しない方がいいケースもあります。
そのような場合、前述の手順でSetting > Stable DiffusionからVAEをいちいち切り替えるのは面倒です。
もっと簡単にVAEの切り替えをできるように設定する方法があります。
Setting > User interface を開きます。
[info]Quicksettings list という項目があるので、そこに「sd_vae」を追加しましょう。
最後に、Apply settingsをクリックして、Reload UIでUIを再起動します。
すると、画面の上部にVAEの設定項目が追加されました。これで簡単にVAEを切り替えることができますね。
VAEの種類
VAEにはいくつか種類があり、効果も異なります。
基本的には「vae-ft-mse-840000-ema-pruned」で汎用的に使えますが、上級者の人は狙いたい効果によってVAEを使い分けるのもいいかもしれません。
VAEの選び方
まずモデルの説明ページを見てみましょう。推奨しているVAEが記載されていることがあります。
もし何も書いていなければ、モデル自体にVAEが内蔵されているのかもしれません。
それでも生成した絵が色あせて見える場合は、以下に紹介するVAEの中から好みのものを試してみるのも良いと思います。
代表的なVAE
vae-ft-mse-840000-ema-pruned
一番スタンダードで汎用的に使えるVAEです。このVAEを推奨しているモデルも結構あります。
導入手順はこちらをご覧ください。
kl-f8-anime
「kl-f8-anime」は「vae-ft-mse-840000-ema-pruned」に比べて、色味が明るく、ややピンクがかった色みになります。
ダウンロードはこちら。
「vae」フォルダを選択し、「kl-f8-anime.ckpt」をダウンロードします。
以降の手順は「vae-ft-mse-840000-ema-prunedの導入手順」と同じです。
kl-f8-anime2
ダウンロードはこちら。
「vae」フォルダを選択し、「kl-f8-anime2.ckpt」をダウンロードします。
以降の手順は「vae-ft-mse-840000-ema-prunedの導入手順」と同じです。
「kl-f8-anime」に比べて色味が落ち着いています。「vae-ft-mse-840000-ema-pruned」にかなり近い色に見えます。
まとめ
Stable Diffusionで生成した絵で「色が薄い」「色あせて見える」と感じたら、VAEを試してみるのが良いでしょう。VAEは絵を色鮮やかにしてくれる効果があります。
VAEを使いこなして彩り豊かな絵を作りましょう🎨
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