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【入門編】クリスタの3Dの使い方を解説!背景や小物をラクして描こう

クリスタ3D入門
この記事は約11分で読めます。
らん
らん

マンガの背景や小物って描くの苦手

るん
るん

クリスタの3D素材を活用してみましょう!

マンガを描くときに背景や小物を描くのが苦手、面倒という人は多いと思います。
「キャラクターを描くのは楽しいけど、背景や小物は難しいし描いててもあまり楽しくない」って思うこと、ありますよね。私もそうです😅

Stable DiffusionやNovelAIなどの生成AIでもキャラクターはクオリティが高いのですが、背景や小物などは途端にヘンテコなものが生成されることも多いです💦

そんなときにはクリスタ(CLIP STUDIO PAINT)の「3D素材」を活用してみましょう。
街並み、建物からさまざまな小物まで無料で多くの素材を利用でき、好きなアングルで簡単に線画にできます。

手で描くのが大変な「住宅街」や「車」もこの通り✨3Dなので好きなアングルで線画にできます。

[クリスタ] 3D素材を使えば住宅街も簡単に描ける
クリスタの3D素材を使った「住宅街と車」

「手描き+AI」だけでは難しかった「駅のホーム」も、3D素材を利用するとこんなに変わります。

3D素材を下絵に活用してimg2imgで生成した絵

3D素材はとても便利な機能なのですが、最初のうちは使い方に戸惑うと思います。
ステップ・バイ・ステップで慣れていくのがよいでしょう。

この記事では【入門編】として、「小物」で3Dの操作に慣れ、実際のマンガのコマに使ってみるということをやっていきます。
3D素材をうまく使えるようになれば、マンガの表現の幅がぐっと広がること間違いなしです!

この記事はこんな人におすすめ
  • マンガで背景や小物を描くのが苦手
  • クリスタの3D機能を使ってみたい

それではいってみましょう😊

この記事で身につくこと
  • クリスタの3Dオブジェクトの基本操作(カメラの回転・平行・前後移動)
  • 3Dオブジェクトの線画への書き出し(LT変換)
  • 3D素材の探し方とダウンロード

なお、線画への書き出しでは「LT変換」という機能を使いますが、これはEX版のみの機能です。
EX版を持っていないという人はこの機会に検討してみるのも良いかもしれません。製品の詳細は下記のリンクからどうぞ♪

CLIP STUDIO PAINT EX

まずは「小物」で3Dの扱いに慣れる

らん
らん

3Dってなんか難しそう…私にできるかな?

るん
るん

まずは「小物」で基本操作を身に着けましょう!

クリスタでの3Dオブジェクト(3D素材)には、街並み、ビル、部屋などの「大物」と、カメラ、スマホ、パソコンなどの「小物」があります。

最初から「大物」を操作するのは難しいので、まずは「小物」で3D操作に慣れることから始めましょう。

クリスタで3Dを使うステップ
  1. 3Dオブジェクトをキャンバスに貼り付ける
  2. オブジェクトの構図を決める
  3. 線画に書き出す

1. 3Dオブジェクトをキャンバスに貼り付ける

まず、好きな3Dオブジェクトを選んでキャンバスに貼り付けます。
最初は練習ということで、はじめからクリスタに入っている3D素材を使ってみましょう。

「素材パレット(小物)」を開いてみてください。3Dの小物素材がいろいろ入っています。

[クリスタ] 素材[小物]パレットを開く
素材[小物]パレットを開く
[クリスタ] 素材[小物]
さまざまな小物素材が入っている

どれでも良いのですが、ここでは「学校の机」を例にしてやってみます。

[クリスタ] 3D素材(学校の机)
るん
るん

皆さんは好きなオブジェクトを選んでみてくださいね♪

この素材をキャンバスに貼り付ける方法は2つあります。

  • 素材をドラッグ&ドロップでキャンバスに持っていく
  • キャンバスへの貼付けボタンを押す

どちらでもいいのですが、「貼り付けボタン」を押す方法がおすすめです。これには理由があるのですが、今はあまり気にしなくて大丈夫です。

[クリスタ] 3D素材(学校の机)をキャンバスに貼り付け

こんな風にキャンバスに3Dオブジェクトが貼り付けられたらOKです。

[クリスタ] 3D素材(学校の机)をキャンバスに貼り付け

2. オブジェクトの構図を合わせる

次にこの3Dオブジェクトの位置やアングルを合わせていきます。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの操作
らん
らん

なんかたくさんボタンがあるんですけど…

るん
るん

まずは3つだけでOK

操作のボタンがたくさんあって戸惑うのですが、まず使うのは左上の3つだけです。
これは、3Dオブジェクトを写している「カメラ」を操作するためのボタンです。

[クリスタ] 3Dオブジェクト操作は最初は3つだけ

左から、カメラの「回転」「平行移動」「前後移動」です。

では最初に一番左の「回転」をクリックしてください。それから、オブジェクト以外の場所でマウスをぐりぐりとドラッグします。オブジェクトを写すアングルが変わりますね。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの操作-カメラの回転

次は左から2つめのボタン「カメラの平行移動」をクリックしてください。それから、オブジェクト以外の場所でマウスをドラッグしてみましょう。
オブジェクトが移動するのがわかります(正確にはカメラの方が移動しています)。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの操作-カメラの平行移動

最後に左から3つめのボタン「カメラの前後移動」をクリックしてください。オブジェクト以外の場所でマウスを上下にドラッグしてみましょう。
カメラが遠くなったり近くなったりします。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの操作-カメラの前後移動

この3種類のカメラ操作を駆使して、気に入った構図にしてみてください。

3. 線画に書き出す

最後にこの3Dオブジェクトを線画に書き出していきます。
その前に調整しておいた方がいいのが「光源」と「床面の影」です。

3Dオブジェクトを選択した状態で「ツールプロパティ」を見てみましょう。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの光源設定

光源の影響

「光源の影響を受ける」にチェックを入れると、オブジェクトに明るい部分と暗い部分ができます。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの光源の影響の有無
るん
るん

ちょっと違いがわかりにくいですが、「光源の影響を受ける」にすると机の足の左側が暗くなっていますね

光源の位置は下の丸いボールをドラッグしてくるくる回すことで調整できます。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの光源の位置調整

床面の影

「床面に影を表示する」にチェックを入れると、床面にオブジェクトの影ができます。
影の位置は光源の当たり方によって変わります。

[クリスタ] 3Dオブジェクトの床面の影の有無

今回はどちらにもチェックを入れて進めますが、シーンに合わせて調整してみてくださいね。

線画への書き出し(LT変換)

それではいよいよ線画への書き出しです。EXには「LT変換」という便利な機能があります。
3Dオブジェクトのレイヤーを選択した状態で、「レイヤー」メニューから「レイヤーのLT変換」を選択します。

するとこのようないかつい設定が表示されます😅

[クリスタ] LT変換の設定
らん
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え…どこをいじればいいの?

るん
るん

基本的には2箇所だけ気にすればOK

どこをどう設定すればいいのか戸惑うと思うのですが、安心してください。

まずは「プレビュー」にチェックを入れましょう。線画に書き出したときにどうなるかをキャンバス上でリアルタイムに確認できるようになります。

[クリスタ] LT変換の設定-プレビューにチェック

そして、高度な設定に関するチェックはすべて外してしまいましょう。これらは慣れてきたら使えばいいです。

[クリスタ] 余計なところのチェックは外す

基本的には「ライン抽出」と「トーンワーク」だけを気にすればOKです。下の画像の枠で囲ったところだけです。

[クリスタ] 基本的には「ライン抽出」と「トーンワーク」だけ気にすればOK

ライン抽出」は、3Dオブジェクトから輪郭線を抽出するための設定です。

るん
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線を太くしたいのか細くしたいのか、オブジェクトから細かい線をどれくらい拾うかなどのを調整します

まず、抽出した線を「ラスターレイヤー」にするのか「ベクターレイヤー」にするのかを選択しましょう。
それぞれ一長一短はありますが、私は「ベクターレイヤー」にすることが多いです。後から線の太さを調整できて便利だからです。

「ベクターレイヤー」だと線がカクつくときもあるようです。気になるときは「ラスターレイヤー」にしてもよいでしょう。

線幅」は文字通り線の太さです。プレビューを見ながら好みで調整してみてください。
検出精度」はオブジェクトからどれくらい細かい線を拾うかの度合いです。これは3Dオブジェクトにも依存するので都度調整するしかないです。50くらいを基準にして、プレビューを見ながら値を調整しましょう。

次は「トーンワーク」です。
これはオブジェクトにトーンを貼るかどうかの設定です。「塗りは自分でやるからいいよ」っていう人はチェックを外しておきましょう。


3Dオブジェクトをベースにしてトーンも貼りたい場合には、チェックを入れておきます。
階調化」にチェックを入れておいた方がマンガっぽくなると思います。
トーンの濃さは数値を変更して調整してみてください。

ここまでできたら「OK」を押します。すると3Dオブジェクトが線画とトーンが別々のレイヤーに変換されて書き出されます。

[クリスタ] LT変換で3Dオブジェクトが書き出される

輪郭線1というのが「線画」です。今回は「ベクターレイヤー」を選択したので、「ベクターレイヤー」になっていますね。

トーンのレイヤーについて、トーンの効果(ドットで表現されている)を外したい場合はレイヤープロパティの「トーン」をクリックしてオフにすればグレーで表現されます。

[クリスタ] LT変換後のトーンはオフにできる

これで完成です👏

[クリスタ] 3D素材「学校の机」を線画化

よくあるトラブル事例

線がガタガタになる

らん
らん

なんかすごく線が汚いんですけど…

[クリスタ] LT変換で線がガタガタになる

3D素材を使い始めたときによく起きるのがこの「線がガタガタして汚い」というトラブルです。
このトラブルのせいで「3D素材って微妙だな」と思ってしまうかもしれないのですが、ちょっと待ってください!

このトラブルの多くは「キャンバスサイズが小さい」ことが原因です。キャンバスサイズを大きくしてみましょう。たとえば4000×4000pxくらいにしてみてください。きれいに表示されると思います✨

[クリスタ] LT変換後の線画が汚いのはキャンバスサイズが小さいことが原因かも

ちょっとしたイラストを書くときなどは1000pxくらいあれば十分な広さかな?と思うのですが、実は3D素材を使うには小さすぎます。

一般的な同人誌原稿はA4(210×297mm、600dpi)ですが、これはpxにすると4961×7016pxというサイズです。結構大きなキャンバスサイズなのです。
3D素材を使うときにはこれくらいのキャンバスサイズが必要だということを意識しておきましょう💡

輪郭線のレイヤーが2つある

らん
らん

輪郭線1と輪郭線2っていうレイヤーがあるんだけど…

[クリスタ] LT変換で輪郭線レイヤーが2つできる

これは「LT変換の設定」で「テクスチャのライン抽出」にチェックを入れていることが原因です。
必要なければチェックを外しておきましょう。

るん
るん

これで3Dオブジェクトの基本的な使い方はOKです✨

らん
らん

意外と簡単かも♪

マンガのコマに3D素材を活用する

では、ここからはちょっとした実践を行います。
実際のマンガのコマに3D素材を活用してみましょう。今回はここのコマに「郵便受け」を配置してみます。

郵便受けを配置したいコマ
るん
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では、いってみましょう♪

素材を手に入れる

CLIP STUDIOを開き、右上のメニューの中から「素材を探す」をクリックします。

[クリスタ] ASSETSを開く1
[クリスタ] ASSETSを開く2

すると、さまざまな素材を入手することができる「CLIP STUDIO ASSETS」に移動します。
「Search」と書かれている検索ボックスで素材を探すことできます。
今回は「3D素材」を探したいので、検索ボックスの右にある「詳細」を開いて条件を絞り込みましょう。

[クリスタ] ASSETSで検索

「3Dオブジェクト」をクリックすると、検索ボックスに条件が自動入力されます。
右下の「閉じる」を押して、詳細画面を閉じましょう。

[クリスタ] ASSETSで3Dオブジェクトを検索

検索ボックスに「郵便受け」と入力します。すると、条件に合致した素材が表示されます。

[クリスタ] ASSETSの検索結果

さて、ここで気になるのが各素材の料金ですよね。

らん
らん

「無料」はわかるけど、「50CP」とか「250G」っていうのは何?

るん
るん

「CP」はクリスタ内のサービス通貨のことで、「G」は「円」のことです

CLIP STUDIO ASSETSで公開されている素材の料金は大きく言うと、「無料」「CP」「G」の3種類です。
「無料」はそのまま無料素材です。
「CP」というのはクリスタのサービス通貨「クリッピー」のことです。この「クリッピー」は基本的にお金で購入することはできません。無料素材を公開することなど、クリスタでの活動によって貯まります。
「G」は「ゴールド」のことで、平たく言えば「円」と同じです。50Gなら50円と考えればOKです。

CLIP STUDIO ASSETSでの素材の料金

今回は無料で公開されているこの郵便受けを使ってみます。
ダウンロード」をクリックすると素材をダウンロードすることができます。

CLIP STUDIO ASSETSの郵便受けの3D素材
らん
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?どこにダウンロードされたの?

るん
るん

次の項目で説明しますね

素材を使う

では、ダウンロードした3D素材を使っていきましょう。

素材をキャンバスに貼り付ける

ASSETSからダウンロードした素材はCLIP STUDIO PAINTの素材パレットの「ダウンロード」フォルダ内に表示されます。

表示されるまで少し時間がかかる場合もあります。なかなか表示されないときは、一度別のフォルダを表示させてから、もう一度「ダウンロード」フォルダを表示すると、更新されていることもあります。

CLIP STUDIO ASSETSで入手した素材は「ダウンロード」フォルダに表示される

ここでは玄関のこの部分に郵便受けを配置してみたいと思います。

郵便受けを配置したいコマ

「郵便受け」の素材を選択して、「選択中の素材をキャンバスに貼り付ける」ボタンをクリックします。(素材をキャンバスにドラッグ&ドロップでもOKです)

すると、こんな風に3Dオブジェクトがキャンバス上に表示されます。

マンガのコマに3D素材の郵便受けを貼り付けた

あとは「まずは「小物」で3Dの扱いに慣れる」でやった要領で郵便受けの位置とアングルを合わせていきます。
うまく合わせられたら、「LT変換」で線画にしましょう。こんな感じになります。

3D素材をLT変換

このままだとやや不自然なので、陰や光の部分を塗ったり、必要な部分を描き足して仕上げればOKです。

必要な部分を描き足して完成
らん
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イチから手で描くよりずっと簡単♪

まとめ

背景や小物を描くのが苦手という人は多いと思いますが、クリスタの「3D素材」を活用することでずっと楽になります。

いきなり大きな背景を扱うのは難しいので、まずはちょっとした「小物」を3D素材を使って描くことでコツをつかんでいきましょう。

次回は少し難しい「部屋」や「街並み」などの背景を3D素材で描いていきます。次回もお楽しみに♪

本記事で紹介した「LT変換」を行うには「CLIP STUDIO PAINT EX 」が必要です。「CLIP STUDIO PAINT PRO」では「LT変換」はできませんのでご注意ください。
プロフィール
この記事を書いた人
千鳥 るん | Chidori Run

画像生成AIで思い通りのイラストを描くためのノウハウを試行錯誤で模索しています。IT企業でAI戦略に関わっていたこともあるAIエンジニアです。大学生の頃から趣味でイラストを描いていましたが、仕事が忙しくなり一旦筆を置きました。最近、NovelAIと出会ってまたお絵描きへの情熱を取り戻しています。

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