PR

XPPen「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」を比較レビュー

この記事は約9分で読めます。
記事内に広告が含まれています。

16インチクラスの液タブは、「大きすぎず小さすぎず」で扱いやすい人気サイズです。
各メーカーが力を入れており、同じブランド内でも複数の製品があります。

今回の記事では、実際に製品を使って描き比べながらXPPenの人気モデル「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」を比較してみました!

「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」のパッケージ

スペック上の比較

スペックの比較はXPPenの公式ページからできます。私が特に気になった違いをピックアップすると以下の表の通りです。

製品Artist Pro 16 (Gen2)Artist 16セカンド
価格(定価)76980円49980円
サイズ405.1 × 291.4 × 20.2 mm434 × 255.8 × 12.9 mm
本体重量1.79 kg1.32 kg
読取可能範囲344.7 × 215.4 mm341 × 191.8 mm
筆圧レベル163848192
液晶解像度2560 × 16001920 × 1080(フルHD)
アスペクト比16:1016:9
色域(sRGB)159% sRGB127% sRGB
コントラスト比1200∶11000∶1
応答速度20 ms25 ms
ペンX3 ProスマートチップスタイラスX3 Elite
ショートカットキーなし10 × ショートカットキー
カラーブラックブラック/グリーン/ブルー/ピンク

まず気になる「価格」ですが、1.5倍くらい違います。

ラン
ラン

液タブは安い買い物じゃないから、この差は結構大きいわね…

「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が筆圧レベルや液晶解像度、応答速度の性能は優れているようです。これらの数値上の差がどの程度、実感として感じられるのか。価格差をくつがえすほど「Artist Pro 16 (Gen2)」は優れているのでしょうか?

るん
るん

そのあたりにも注目しながらチェックしていきましょう!

実機での比較

今回のレビューのために、XPPen様から検証機をお借りして、私が実際に2週間使用してその違いを検証しました。

外観

スタンド

板タブと違い、液タブは表示モニターでもあるので、角度がついていた方が描きやすいです。そのため、「スタンド」を使う人が多いかと思います。

「Artist Pro 16 (Gen2)」はスタンドが本体裏面に内蔵されています。基本的に別途スタンドを用意する必要はありません。ただ、内蔵スタンドの角度は固定で自由に調整することはできないので、角度が好みに合わない場合は別途スタンドを用意するといいと思います。

[XPPen Artist Pro 16 (Gen2)] 角度

一方「Artist 16セカンド」はスタンド内蔵ではありません。そのため、別途スタンドを購入する必要があります。

今回使ったのは「ACS05 折り畳み式スタンド」です。18°から45°まで6段階で角度調整できて、折りたたむととてもコンパクトになります。

XPPen ACS05折り畳みスタンド

「Artist 16セカンド」をしっかりと支えてくれます。描いているときにずれたりすることもありません。
一番角度を小さくしたときが、「Artist Pro 16 (Gen2)」の内蔵スタンドとだいたい同じ角度になります。

ACS05折り畳みスタンドに載せた「Artist 16セカンド」

サイズ感

「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」のサイズを比較

「Artist 16セカンド」の方が明らかに横長です。
表示画面の横幅自体はどちらもほぼ同じなのですが、Artist 16セカンドは「ショートカットキー」がサイドについているため、全体としては横に伸びます。
また、「Artist Pro 16 (Gen2)」は画面のアスペクト比が16:10と少し縦方向に長いので、全体として縦に伸びます。
模式図で全体サイズの違いを表すと以下のようになります。

「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」の画面を比較(模式図)

約3cmほどの違いしかありませんので、どちらかが明らかに大きくて机に載らないというようなことはないと思います。

接続端子の位置

パソコンとの接続方法についてはどちらも同じなのですが、端子の位置が異なります。

Artist Pro 16 (Gen2)Artist 16セカンド
接続端子の位置上部側部
「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」の接続端子を比較

上部に端子がある「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が見た目はスッキリしています。

「Artist 16セカンド」はショートカットキーがついている関係上、左利きの人の場合はひっくり返して使うケースがあります。もし上部に端子があると、下部からケーブルが伸びることになって邪魔なので、端子が側部についているのだと思われます。

カラー

「Artist 16セカンド」にはブラック以外にもグリーン/ブルー/ピンクのラインナップがあります。ただし、私が調べた限りでは、2025年10月時点でブラック以外のカラーを新品で入手するのは困難です。「メルカリ」などで中古品を探すのがいいかもしれません。

Artist 16セカンドのカラー

液晶画面

表示範囲

「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」の画面を比較

まずはっきりとわかるのが、「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が縦方向に表示される範囲が広いです。これは両者のアスペクト比が違うためです。

Artist Pro 16 (Gen2)Artist 16セカンド
アスペクト比16:1016:9
「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」のアスペクト比を比較

ペイントソフトを使うときに特に便利だと感じたのは、絵の表示範囲の広さよりもサイドバーの「ツール」や「レイヤー」を広く表示できる点でした。

るん
るん

「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が作業は捗りそうです♪

表示解像度・色

製品Artist Pro 16 (Gen2)Artist 16セカンド
液晶解像度2560 × 16001920 × 1080(フルHD)
色域(sRGB)159% sRGB127% sRGB
コントラスト比1200∶11000∶1

液晶解像度は「画面に表示できる“細かさ”」を表す数値です。
色域は「モニターが表現できる色の範囲」のこと。数値が高いほど、より鮮やかで正確な色表現が可能です。
コントラスト比は「明るい部分」と「暗い部分」の差をどれだけくっきり表示できるかを示す数値で、数値が高いほど「色のメリハリがくっきり」します。

つまり、数値上は「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が「よりクリアで色鮮やか」ということになります。ただ、実際に見比べてみましたが、私には明確な違いは感じられませんでした。

るん
るん

どっちも同じくらいキレイです✨

描き心地

ペン

はっきりと差を感じたのは、ペンの使い心地です。

Artist Pro 16 (Gen2)Artist 16セカンド
ペンX3 ProスマートチップスタイラスX3 Elite
「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」のペンを比較

「Artist Pro 16 (Gen2)」の「X3 Pro」は、指が当たるグリップ部分がラバー素材&少し太めになっているので、滑りにくく握り心地が良いです。
一方、「Artist 16セカンド」は「X3 Elite」で、グリップ部分はラバー素材ではなくツルツルしています。

るん
るん

私はラバー素材のグリップの方が好みですが、ラバーは”劣化する”というデメリットもあります。このあたりはお好みですね

サイドスイッチはどちらも2ボタンで押し心地も変わりません。
ただ、Artist 16セカンドの「X3 Elite」はテールスイッチがありませんので、テールスイッチをよく使うという人はご注意ください。テールスイッチが使いたい人は互換性のある「X3 Elite Plus」を別途買って使うこともできます。

それから、ペンの互換性の観点でいうと、「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が対応しているペンの種類が多いです。

Artist Pro 16 (Gen2)Artist 16セカンド
ペン✅X3 Proスマートチップスタイラス
✅X3 Proスリムスタイラス
✅X3 Proローラースタイラス
✅X3 Elite
✅X3 Elite Plus(X3 Eliteにテールスイッチが付いたもの)
ラン
ラン

ペンにローラーがついてる「ローラースタイラス」って面白そう♪

描き心地

「応答速度」と「筆圧レベル」について、スペック上の違いは以下の通りで、「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が数値上は優れています。

Artist Pro 16 (Gen2)Artist 16セカンド
筆圧レベル163848192
応答速度20ms25ms

「筆圧レベル」は、ペンがどれだけ細かく「力の強弱」を感知できるかを示す数値です。数値が高いほど、線の強弱をなめらかに描き分けられるため、手描きに近い自然なタッチになります。

「応答速度」は、ペンで描いた動きを画面がどれだけ速く反映できるかを示す数値です。数値が高いほど、ペンの動きと画面の反応のズレが少なく、描いていてストレスを感じにくいです。

るん
るん

簡単にいうと、「筆圧レベル」は”線の表現力”、「応答速度」は”反応の速さ”

この点に注意しながら実際に両者を描き比べました。結果としては、私には違いはほとんど感じられませんでした。「Artist Pro 16 (Gen2)」の方は極細の線を少し描きやすい気がしなくもないですが、それくらいの微々たる違いです。

4096以上の筆圧レベルを人間が知覚することは難しいとも言われているので、8192と16384の違いはおそらく感じられない人が大半だと思います。

応答速度についても、どちらも十分なレベルの性能を備えているため、この5msの差も感じることはほぼできないと思われます。

ショートカットキー

液タブの「ショートカットキー」

「Artist 16セカンド」は、本体に10個のショートカットキーがあります。

一方、「Artist Pro 16 (Gen2)」にはショートカットキーはありません。その代わり、左手デバイス「ワイヤレスショートカットリモート ACK05」が付属しています。これは「10個のキー+ホイール」を備えています。キーは正方形と長方形のキーを組み合わせているので、手元を見なくても区別がつきやすくなっています。

[XPPen Artist Pro 16 (Gen2)] ショートカットリモート

まとめ

2つの製品を比較して、あまり違いを感じられなかった点、違いを感じた点をまとめます。

あまり違いを感じなかった点
  • 液晶解像度
  • 表示色
  • 応答速度
  • 筆圧レベル
違いはあるが代替方法がある点
  • スタンド:「Artist 16セカンド」はスタンド内蔵ではないが、別売りスタンドを買えばOK
  • ショートカットキー:「Artist Pro 16 (Gen2)」本体にショートカットキーはないが、左手デバイスで代替できる
明確な違いがある点
  • 表示範囲:アスペクト比の違いによって「Artist Pro 16 (Gen2)」の方が縦方向の表示範囲が少し広い
「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」の画面を比較
  • ペン:「Artist Pro 16 (Gen2)」は「X3 Pro」、「Artist 16セカンド」は「X3 Elite」
「Artist Pro 16(Gen2)」と「Artist 16セカンド」のペンを比較

私が実際に使ってみて一番違いを感じたのは「ペンの握り心地」です。
「Artist Pro 16 (Gen2)」のペンの方がグリップをしっかりと握ることができて使い心地が好みでした。

今回は「Artist Pro 16 (Gen2)」と「Artist 16セカンド」の違いに関するレビューをお届けしました。どちらにしようか迷っている人のご参考になれば幸いです。

プロフィール
この記事を書いた人
千鳥 るん | Chidori Run

AIイラスト・AIマンガ創作のノウハウを発信しています。もともとはIT企業で働いていたエンジニアです(現在は独立)。大学生の頃から趣味でイラストを描いていましたが、仕事が忙しくなり一旦筆を置きました…が、2022年に「NovelAI」と出会ってお絵描きへの情熱を取り戻しました!

千鳥るんをフォローする
ツール
スポンサーリンク
シェアする
千鳥るんをフォローする

コメント