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【初心者OK】生成AIを使ってマンガを描く方法を解説

生成AIでマンガを描く方法を解説
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ラン
ラン

素人なんだけど…マンガを描いてみたいの!

るん
るん

誰でもはじめは素人♪
生成AIを活用して楽しく描いてみましょう😊

マンガを読む人はたくさんいると思いますが、自分でマンガを描く人はあまりいないかもしれません。
「マンガを描く」というのは、かなり高度なスキルが必要になるからです。

実際に描いてみるとわかりますが、話のネタもなかなか浮かびませんし、限られたページ数の中でうまくストーリーを構成するのも難しいです。
そして何より、「絵を描く」というのは、相当な練習をしないと思うようにいきません。

ラン
ラン

自分の絵を見て何度絶望したことか…

ですが、今の時代に生きる私たちはラッキーです。私たちには「生成AI」という強い味方がいます。AIの力を借りることで、マンガ制作のハードルをぐっと下げることができます。

この記事では、テキスト生成AIや画像生成AIをマンガ制作の各工程に取り入れる方法を、実際の制作例をもとに解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • マンガを描いてみたいけど、絵に自信がない
  • 画像生成AIを活用してマンガを描いてみたい

下の画像は私が生成AIを使って描いたマンガの一部を抜粋したものです。
ここで描かれているキャラクターは画像生成AIを使って描いているのですが、キャラの一貫性も含めてなかなか自然に描けていると思いませんか?

この記事では、私が実際にAIを使ってマンガを制作する中で試行錯誤して得たノウハウを余すところなく解説します✨

AIを使って描いたマンガの一部

なお、こちらのページで私の創作した「AIマンガ」を公開しています。ご興味あれば見ていただけるととても嬉しいです♪

そもそも生成AIって?

らん
らん

生成AIってなんだっけ…?

はじめに本記事で必要な前提知識「生成AI」について簡単に解説します。「生成AI」のことは十分知っているという人はここはスキップして大丈夫です。

「生成AI」とは文章や画像、音楽などを作り出すAIのことです。2022年ごろから急速に普及した技術で、マンガ制作においては特に「テキスト生成AI」と「画像生成AI」が役立ちます。

生成AIには「テキスト生成AI」「画像生成AI」などがある

「テキスト生成AI」の代表選手は「ChatGPT」でしょう。どのような文章を作って欲しいかを人間が言葉で指示すると、その指示に沿った回答(文章)をAIが作り出します。 スピーチ原稿やメール、商品説明文、記事、小説などあらゆる種類の文章が生成できます。

「画像生成AI」は「どんな絵を作ってほしいか」をAIに言葉で指示をするとその指示に沿った絵をAIが生成してくれます。画像生成AIには、Stable DiffusionやNovelAIなど、さまざまなサービス・モデルがあります。

画像生成には主に2つの生成方法があります。 1つめは「言葉から画像を生成する方法(Text to Image)」。そして2つめは「言葉+画像から新たな画像を生成する方法(Image to Image)」です。

Text to Imageは、「girl with cat」「猫を抱いた女の子」のように描きたい絵を言葉で説明し、それをもとにAIが絵を生成します。この「言葉」のことを「プロンプト」と言います。

Image to Imageは、ラフスケッチのような画像を元にして、新たな画像を生成する機能です。 この記事で説明するマンガ制作法ではこの「Image to Image」をフル活用します。

画像生成にはText to ImageとImage to Imageがある
画像生成の2つの手法

マンガ制作の流れ

ラン
ラン

よし…!何からどうしよう😓

るん
るん

全体の流れを確認してどこでAIを使うか考えましょう

生成AIに任せられる工程は増えていますが、本記事では、AIにすべてを任せるのではなく、作者が作品を設計しながら必要な工程でAIを活用する方法を紹介します。

まず、一般的なマンガ制作の流れは次のようになります。

  1. プロット
  2. ネーム
  3. 下描き
  4. ペン入れ
マンガ作成の流れ

本記事では主に、

  • プロット・アイデア整理
  • キャラクター案の作成
  • 構図やポーズの参考
  • 下描きをもとにした清書
  • 部分修正

といった工程でAIを活用します。

生成AIの性能は大きく進化していますが、本記事では、AIに作品を丸ごと任せるのではなく、作者自身がストーリーや構成を考え、AIを制作補助として使う方法を紹介します。

では、流れに沿っていってみましょう!

プロット

[AIマンガ] プロットづくり

ストーリー作り

面白い世界観やキャラクターを思いついたとき、「あ!これってマンガにしたら面白そう!」って思いますよね?
喜び勇んで描き始めてみると、すぐに行き詰まってしまう…というのはよくあることです。

るん
るん

「この設定、絶対おもしろい!」と思ったのに、オチが思いつかないとか…

ラン
ラン

あるある~

これは「物語の脚本」つまり「ストーリー」をきちんと練り込めていないからです。ストーリーの青地図がない状態でいくらアイデアを思いついても、作品にうまく活かすことは難しいです。

いつもストーリー作りに悩んでしまうという方は次の2冊の本をオススメします。どちらもとてもわかりやすくストーリーの作り方を解説している良書です。
私自身もこの本を読んできちんとストーリーを練って描き始めるようにしてから、最後まで作品を作り上げることができるようになりました。

AIにストーリー案を出してもらうことはできますが、「この作品で何を描きたいのか」「何を伝えたいのか」という部分は、作者自身が考える大切なところだと思います。

AIを使う場合でも、まずは自分自身と向き合い、作品の核となるテーマを考えてみましょう。

るん
るん

まずはAIではなく”自分自身”と対話してみてくださいね

ネタ出し

ストーリーを作っていく中で、さまざまな「ネタ出し」を行いますが、この工程ではChatGPTを活用することができます。
具体的には

  • キャラクター設定の深掘り
  • エピソードのアイデア出し

などに使えます。

ChatGPTは話の流れも理解してくれますし、「◯◯に関するアイデアを10個出してください」のように依頼すれば、複数のアイデアを短時間で出してもらえます。

プロの作家であれば、編集やアシスタントの方と議論することもできるのでしょうが、趣味として描きたい(描いている)アマチュア漫画家の場合、そうもいきません。そんなときにChatGPTは良き相棒として活躍してくれるでしょう。

るん
るん

まさに優秀なアシスタントですね

たとえば、こんな感じです。

ラン
ラン

舞台が「田舎」ということを活かしたエピソードを5つほど提案してもらえますか?

ChatGPTで生成したアイデア

より詳しく知りたい方はこちらのnoteの記事をご覧ください。

ChatGPTで10年越しのオリジナル漫画のネタ出しをしてみた|千鳥るん|AIイラスト研究家
世間では何かとChatGPTが話題です。どんなことに活用できるのか、みんな試行錯誤していますね。 私もいろいろと試してみたのですが、今一番楽しい使い方はChatGPTに「漫画のアシスタント」になってもらうことです。 実は10年ほど前からずっ…

キャラクター設定

キャラクターの外見を考えるときに画像生成AIを活用することもできます。
たとえば、「山ガール」を主人公にしたマンガを描きたいとします。

主人公の外見を決めるときにいくつかのキーワード、たとえば「ニット帽、おさげ、不満顔」をプロンプトにして画像生成AI(Text to Image)を使うと、さまざまなキャラクター画像を生み出せます。
それらを見ながら、アイデアを広げていくのもよいでしょう。

るん
るん

「ニット帽をかぶり、おさげ髪で、不満そうな表情の女の子」のような日本語&自然言語のプロンプトを使えるAIサービスもあります💡

[AIマンガ] キャラクター案をText to Imageで描く
Text to Imageでキャラクターのアイデア出し

ある程度、イメージができているのであれば、自分でざっくり下描きを描いて、それをベースにImage to Imageで絵を固めていくこともできます。

[AIマンガ] キャラクター案をImage to Imageで描く
Image to Imageでキャラクターのアイデア出し
[AIマンガ] キャラクター案をImage to Imageで洗練する
ラン
ラン

ビジュアルがあるとさらに想像が広がるよね♪

ネーム

プロットができたら、ページのコマ割りやレイアウト、セリフを考えていきます。

ラン
ラン

“下描き前の下描き”って感じね

ネームは、ページのリズムや視線誘導、セリフの間などを決める、作者の個性が強く表れる工程です。AIに構成案を出してもらうこともできますが、本記事では作者自身がネームを考える方法で進めます。

ペイントソフトを使ってデジタルで描いてもいいですし、紙などにペンで描いてもいいと思います。

[AIマンガ] ネームづくり
ネームのポイント
  • コマ数が多すぎると読みづらくなりやすいので、最初は1ページあたりのコマ数を増やしすぎないよう意識するとよいでしょう。私の場合は、多くても7〜8コマ程度を目安にしています。
  • ネームは、コマ割りと人物配置がわかる程度で構いません。キャラクターや背景などはこの後の「下描き」の工程で描き込んでいきます。
らん
らん

と言っても、コマ割りとか難しいんですけど…

るん
るん

次に紹介する本を読んでみてください♪

「コマ割り」がよくわからなくて困っている人は、まず「マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編」を読んでみると良いです。
マンガ専門学校の講師の方が描いている「マンガを描くための解説マンガ」で、コマ割りの基本的な考え方から実践的なテクニックまで「コマ割りの法則」をわかりやすく解説している本です。

さらにコマ割りの理解を深めたい人には、「もっと魅せる・面白くする 魂に響く 漫画コマワリ教室」もオススメです。Part1でコマ割りの基礎を解説した後に、Part2では「お題」を元にして実際に2ページマンガを描く実践演習という構成になっています。

下描き

画像生成AIが活躍する重要な工程です。
まずは、次の「清書」も含めて全体の大まかな流れを説明してから、具体的なやり方を順に解説していきます。

下描き&清書の大まかな流れ

必要なもの
  • ペイントソフト(私の場合は「CLIP STUDIO PAINT EX」)
  • ペンタブレット
  • Image to Imageが使える画像生成AI
    (※本記事ではStable Diffusionを使った例を中心に紹介します)

画像生成AIを使った下描き&清書の考え方はざっくり次のようになります。

  • ペイントソフト&ペンタブレットで下描きする
  • 画像生成AIの「Image to Image(img2img)」で下描きを清書する
  • 生成した画像の気に入らない箇所を手描きで修正する
  • 以降は、img2img→修正を納得できるまで繰り返す
AIを使った下描きと清書
るん
るん

「Image to Image」って何だっけ?という人は、こちらをもう一度確認してね

詳しい流れ

より詳しい流れは下図のようになります。

[AIマンガ] 下描きと清書の流れ
らん
らん

なんか大変そう…

るん
るん

一つひとつはそれほど難しいことをしているわけではないです。
順に見ていきましょう♪

準備:必要な道具

最初に「下描き」で必要な道具である「ペイントソフト」と「ペンタブレット」について簡単にお話ししておきます。

ペイントソフト

マンガを制作できるペイントソフトで最も有名なのは「CLIP STUDIO PAINT EX (通称、クリスタ)」です。

マンガ制作のために便利な機能がたくさんありますし、使っている人が多いので困ったときに情報が手に入れやすいというのもメリットです。

ペンタブレット

ペンタブ選びついては、以下の初心者向けペンタブを実機比較した記事をご参考にしてみてください。

ペンタブを使ったことがないという方は、まずはこちらを一読することをおすすめします。

①ページ全体の下描き

[AIマンガ] 下描き

基本方針

前工程で「ネーム」はできていると思うので、それに沿ってペイントソフト&ペンタブでページ全体の下描きを描いていきます。

[AIマンガ] 下描き

ポイントは「ある程度、ざっくりと描く」ということです。丁寧すぎるのも、雑すぎるのも良くないです。

丁寧に描いて線を整えすぎると、この後の画像生成AIであまり変化しません。つまり、AIが描き直す余地がなくなってしまいます。
また、あまりにもざっくりすぎて、たとえば、棒人間レベルだと、その後のクオリティを上げにくいです。

「何が描いてあるかわかるくらいにざっくり描く」というイメージです。
キャラクターなら「髪型」「表情」「服装」「ポーズ」がなんとなくわかるくらいに描くといいでしょう。細かい部分は気にしなくていいです。

[AIマンガ] 下描きのポイント

このときに使う「画材」や「線の太さ」には注意を払ってください。

下描きの線の太さやタッチは、Image to Imageの生成結果にも影響します。
生成設定によって影響の強さは変わりますが、完成イメージに近い線で下描きを作っておくと、狙ったタッチに近づけやすくなります。

[AIマンガ] 下絵の線の感じが最後まで引き継がれる

下描きの「色」

そして、もう一つ重要なポイントは「色」です。
白黒マンガでも「黒」や「グレー」で色がついていますが、この「色塗り」の工程をどうするかによって下描きの方針も変わります。方針としては次の2つです。

  • 色塗りもAIに任せる
  • 線画はAIに描いてもらうが色塗りは自分でやる
方法色塗りもAI色塗りは自分
メリット・AIがいい感じに塗ってくれる・線画の修正がしやすい
・後からでも色を直せる
・色塗りの楽しみがある
・塗りで個性を出すこともできる
デメリット・後から色を直すことが難しい・色塗りに対して、ある程度の慣れが必要
色塗り方針の比較

本記事では、この後の「④生成画像の修正」のしやすさを重視して、自分で塗る方法をおすすめします。

やっぱり難しい、いまいちだなと思ったときは「色塗りもAI」に任せる方法にしてみるといいと思います。

■色塗りもAIに任せる方法

下描きの時点でグレーや黒で色を塗っておきます。

[AIマンガ] 下描き時の着色

■色は自分で塗る方法

下描きでは色を塗らず線画だけにしておきます。

難しいポーズのときは…

らん
らん

ざっくりでも描くのが難しいポーズはどうすれば…?

ざっくりでもいいとは言っても、それすら描くのが難しいというポーズもありますよね。
そんなときは、超ざっくりな棒人間でいいです。このあとの清書の工程でAIにちゃんと描いてもらいましょう。

たとえば、私の場合、「抱きつくポーズ」がうまく描けなかったので、超ざっくりな下描きをImage to Imageに入力して、下絵のベースとなる絵を作成しました。

難しいポーズはざっくりでOK

また、次に説明するように、画像生成AIの「Text to Image」で「下描きの下描き」を作る方法も有用です。

ポーズや構図が思いつかない…

らん
らん

そもそも構図が思いつかないんですけど…

うまい構図が思いつかない場合や難しくて描けない場合、「下描きの下描き」を画像生成AIで作るという手もあります。

たとえば、「2人の女の子が夏休みに田舎で遊んでいるシーン」を描きたいとします。
2人の女の子が夏の屋外で遊んでいるというようなプロンプトでText to Imageで画像生成してみると、いいアイデアが浮かぶかもしれません。

プロンプト

2girls, playing, summer, outdoors, t-shirt, short pants, smile

[AIマンガ] 画像生成AIに絵のアイデアを出させる
Text to Imageで画像を生成してイメージをふくらませる

このとき日本語のプロンプトが使える画像生成AIサービスを使うと試行錯誤しやすいです。

画像生成AIに絵のアイデアを出させる

いい構図が生成されたら、それを参考にしながら、作品に合わせて構図や髪型、表情、服装を調整して下描きを作ります。

[AIマンガ] Text to Imageで生成した画像をトレースする

②コマに分割&リサイズ

[AIマンガ] コマ分割

ページ全体の下描きができたら、Image to Imageを行うための画像を準備します。

ページには複数のコマ(シーン)が含まれているので、これらを一度にImage to Imageで画像生成することは難しいです。
生成結果をコントロールしやすくするため、基本的に1コマずつImage to Imageします。
そのため、下描きを1コマあるいは1キャラクターの画像として分割していきます。

下描きページ画像を分割

画像サイズは、使用する画像生成AIの推奨サイズや利用環境に合わせて調整してください。

アスペクト比(縦横比)はあまり気にしなくても構いませんが、極端に細長いコマだとモデルによっては生成結果が不安定になる場合があります。

複数の人物がいるコマの場合

1コマに複数のキャラクターがいる場合、Image to Imageの方針としては2パターンあります。

  • 1キャラクターごとに画像を分割してImage to Imageする
  • 複数のキャラクターをまとめてImage to Imageする

それぞれの方法のメリット・デメリットは次の通りです。

方法1キャラクターごと複数キャラをまとめて
メリット・プロンプトの指定がしやすい・キャラごとに画像分割する手間がない
・絵柄(タッチ)の統一感をとりやすい
デメリット・キャラごとに絵柄(タッチ)が異なってしまう
・キャラが密着している絵は分割しづらい
・キャラクターごとのプロンプトが混ざってしまう場合がある

Stable Diffusionの場合、拡張機能を使うことでキャラクターごとにプロンプトを個別に指定できます。

るん
るん

つまり「左のキャラのプロンプトは◯◯で、右のキャラのプロンプトは△△」と指定できるということ

画像分割は「1キャラクターごと」か「複数キャラをまとめて」か、場面に応じてやりやすい方を選択してみましょう。

顔や体の一部だけのコマの場合

「目のアップ」や「顔が半分だけ」のコマなど、演出上、顔や体の一部だけのコマもあると思います。dですが、顔や体の一部だけを切り出してImage to Imageすると、モデルによっては全体の形を判断しづらくなり、生成結果が不安定になることがあります。

[AIマンガ] 顔の一部のみをImage to Imageするとクオリティが悪くなる
横顔の「目から下の部分のみ」をImage to Imageした場合

少々面倒でも残りの部分も描いて全体がわかるようにしてからImage to Imageで画像生成した方がきれいな絵になります。最終的にページ原稿に取り込む段階でトリミングすればOKです。

[AIマンガ] 顔の一部のみのコマでも顔全体をImage to Imageする方が良い

清書(ペン入れ)

いよいよメインとなる清書の工程です。ここでは画像生成AIと協業しながら作業を進めていきます。

③画像生成(img2img)

[AIマンガ] 画像生成(img2img)

前工程で準備した「下描き」をもとに、画像生成AIで清書を行います。
Stable DiffusionやNovelAIには、絵をもとにして絵を生成するImage to Image(img2img)という機能があり、これを利用します。

本記事ではStable Diffusionを使った制作例を掲載していますが、基本的な考え方は他のImage to Image対応サービスでも同じです。
NovelAIでのImage to Imageの方法はこちらの記事を参考にしてみてください。

モデルの選択

モデル(checkpoint)を選びます。

[AIマンガ] img2imgのモデル選択

マンガの絵のタッチを左右するのでこのモデル選びはとても重要です。使用するモデルによって絵柄や得意な表現は大きく変わります。作品のイメージに近いモデルを選びましょう。

[AIマンガ] Stable Diffusionではモデルによって完成時のタッチが変わる
モデルによってがらっとタッチが変わる

img2imgで画像生成

Image to Imageを開き、前工程で作成した下描きを読み込みます。

[AIマンガ] img2imgに下描きを読み込む

プロンプト(呪文)を入力します。

[AIマンガ] img2imgのプロンプトを入力

Image to Imageでは、元画像をどの程度維持するかを調整できます。
元画像への影響を強く残すほど下描きに近い結果になり、AIによる変化を強めるほど自由度の高い結果になります。

適切な値は、使用するモデルや下描きの完成度によって異なるため、生成結果を見ながら調整しましょう。Stable Diffusionではこの設定を「Denoising strength」と呼びます。

[AIマンガ] img2imgのDenoising strength

ある程度、納得のいく絵が生成できるまで何度もトライしましょう。この時点ではふつう、「これでカンペキだ!」という絵はできません。ある程度イメージに近い絵ができたらよしとして次に進みます

もし、ここでカンペキだと思う絵ができたら、「⑥コマをページに合成」に進みましょう。

画像生成AIを使って修正する方法も

Stable DiffusionやNovelAIには「インペイント」という便利な機能があります。
これは画像の一部分だけをピンポイントで再生成できる機能です。

この方法を使って、気に入らない部分だけを修正するという方法もあります。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
ただし、このインペイントでもうまく修正できないときもあります。そのときはあきらめて次に進みましょう。

白黒漫画なのにほんのり色が着いてしまう…?

下描きが白黒なら、生成した画像もほぼ白黒になりますが、まれにほんのり色がついてしまうこともあります。

るん
るん

「ほっぺの赤み」などです

白黒マンガの場合は、プロンプトで「モノクロ」「白黒」など、色を付けないことを明示すると安定しやすくなります。

それでも色味が残る場合は、後工程でグレースケールに変換して調整できます。

④生成画像の修正

[AIマンガ] 生成画像の修正

通常、1回のimg2imgでカンペキに意図通りの絵ができることはありません。
そのため、このあとは、img2imgで画像生成→生成した画像をさらにimg2img→を繰り返して絵を洗練していきます。

[AIマンガ] img2imgを繰り返してクオリティを上げる

なぜ修正が必要か?

このとき、何も修正を行わなくても絵のクオリティを上げていくことは可能です。
ですが、かなりのケースにおいて、「表情が意図と違う」「服装がちょっとヘン」「手指がおかしい」など「悪い特徴」がimg2imgを繰り返すことで強調されてしまいます。

たとえば、上の絵であれば「服装が変わってしまった」「汗をかいている」「握りこぶしに指がない」「髪の上部が描かれていない」など私の意図と異なる結果になっています。

途中で修正を行うことで、この悪い進化の流れを変えることができます。

たとえば、2回目のimg2imgでの生成画像に対して、手作業で微修正を加え、その画像をimg2imgで洗練していくと、イメージに近い仕上がりになりました。

[AIマンガ] img2imgの繰り返しの途中で修正を加える

修正の方法は2つあります。

  • 手描きで修正する
  • 絵の良いところを合成する

手描きで修正する

ペイントソフトを使って手描きで修正するのが基本の方法です。

修正とはいっても、不要な部分を消したり、必要な部分を描き足すくらいの微修正なので、それほどの画力やテクニックは必要ないことが多いと思います。この後にまたimg2imgで整えるので、カンペキにする必要はありません。

この絵の場合、本当はノースリーブにしたいのですが、長袖になってしまっていたので、そこを修正します。

[AIマンガ] 袖を修正
るん
るん

手描き部分がなんとなく浮いてますが、それほど気にする必要はありません

CLIP STUDIOで③で生成した画像を読み込みます。

[AIマンガ] 生成画像をクリスタで開く

「輝度を透明度に変換」します。これで白い部分が透明になります。(複数の画像を合成してひとつのコマに仕上げるときに便利なのでこうしておく) また、少し色が載っている絵もこの時点でグレースケールにできます。

[AIマンガ] 輝度を透明度に変換

これで白い部分が透明になります。(複数の画像を合成してひとつのコマに仕上げるときに便利なのでこうしておく) また、少し色が載っている絵もこの時点でグレースケールにできます。

[AIマンガ] 画像が線画になる

このままだと背景が透けています。背景を白にするために、「編集」から「キャンバス基本設定を変更」を選択して、用紙色を「白」に変更します。

[AIマンガ] キャンバス基本設定を変更
[AIマンガ] 用紙色を白に変更
[AIマンガ] 用紙が白になる

絵を微修正しましょう。
表情やキャラの特徴的な部分(まゆげや髪のハネなど)、手指などの気になる部分を修正していきます。カンペキにする必要はありません。

この絵の場合、「長袖」を「ノースリーブ」に修正します。

[AIマンガ] 手描き修正

描き終えたら、上部メニューの「ファイル」ー「画像を統合して書き出し」ー「.png」で画像をファイルに書き出します。

[AIマンガ] 画像ファイルに書き出す

では、次のimg2imgに進みましょう。

※この時点で納得いくものができたら「⑥コマをページに合成」に進んでOKです。

絵の良いところを合成する

「この画像は顔はいいけど、手が変」「こっちは手はいいんだけど顔が変」というような具合に、生成画像の良いところを組み合わせれば良くなりそうなケースがあります。

たとえば、下の画像では顔と身体(手)をそれぞれ組み合わせることで全体として良くなりそうです。こんなときは絵の良いところを合成しましょう。継ぎ目が不自然になることもありますが、このあとimg2imgを行っていくことでたいてい上手く馴染みます。

[AIマンガ] 画像の合成

ここでは

  • 画像1:顔はいいけど手が変な画像
  • 画像2:手はいいけど顔が変な画像

として説明します。

クリスタで画像1を開きます。

[AIマンガ] 画像を合成する

メニューの「ファイル」―「読み込み」―「画像」で、画像2を読み込む。

するとこんな風に新たなレイヤーに画像2が重なります。このレイヤーは透明ではないので、後ろの画像1は隠れている状態です。

[AIマンガ] 画像を合成する

画像2のレイヤーで体全体を投げなわ選択で囲みます。そして「選択範囲外を消去」します。

[AIマンガ] 画像を合成する

下のレイヤーと結合します。

[AIマンガ] 画像を合成する

必要に応じて、継ぎ目の部分を少し描き直してなじませます。

[AIマンガ] 画像を合成する

⑤ img2img→修正の繰り返し

[AIマンガ] 画像生成と修正の繰り返し

修正した画像を再びimg2imgに読み込んで、画像を生成しましょう。
先ほどよりもイメージに近い絵になるはずです。

以降は修正→img2imgを納得できるまで繰り返します。

[AIマンガ] img2imgと修正を繰り返す

最後の仕上げとしてimg2imgを使うときは、Denoising strengthを低めにするとイメージをあまり変えずに、修正部分をなじませることができるのでオススメです。

⑥コマをページに合成

[AIマンガ] 完成したコマ画像をページに戻す

クリスタのページに戻って、完成したコマの画像を読み込みます。

画像を拡大する

生成した画像の解像度がマンガ原稿に対して小さい場合は、必要に応じて画像を拡大してから配置します。
使用する画像生成AIや拡大ツールによって適した方法は異なるため、画質を確認しながら調整してください。

画像をページに合成する

上部メニューの「ファイル」ー「読み込み」ー「画像」でコマ画像を読み込みます。

[AIマンガ] コマの画像をページに読み込む

大きさ・位置をコマに合うように調整しましょう。
この時点で、セリフとの兼ね合いなどを見ながら、絵を修正するときには画像を「ラスタライズ」→「輝度を透明度に変換」するとやりやすいと思います。

[AIマンガ] 読み込んだコマ画像の大きさ・位置をあわせる

この流れを各コマで繰り返して、1ページずつ完成させていきます。

まとめ

生成AIを活用することで、マンガ制作のさまざまな工程を補助できるようになりました。

本記事では、

  • アイデアやプロットを考える
  • キャラクターや構図の参考画像を作る
  • 下描きをもとに画像を生成する
  • 気になる部分を修正する
  • 生成と修正を繰り返して完成に近づける

といった方法を紹介しました。

生成AIに任せられることは以前より大きく増えていますが、どんな物語を描くのか、どの表現を選ぶのか、どこを直して完成とするのかを決めるのは作者です。

AIを制作の補助として活用しながら、自分ならでは「創造力・想像力」でマンガを描いてみてください。

るん
るん

AIの力を借りつつも、自分ならではの表現を磨いていきましょう♪

ラン
ラン

了解っす!

プロフィール
この記事を書いた人
千鳥 るん | Chidori Run

AIイラスト制作から始まり、現在はVRChat向けのワールド制作・3D素材制作を中心に発信しています。

Unity、Blender、Substance 3D、UdonSharpなどを使いながら、怪異・ホラー・不穏な空間づくりの知見をまとめています。

BOOTHショップ「狐火工房」では、VRChat向けの3Dモデルや怪異演出素材を制作中。
「怪異ワールドを作りたい人が最初に頼れる場所」を目指して、素材と知恵を少しずつ積み上げています。

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