素人なんだけど…マンガを描いてみたいの!
誰でもはじめは素人♪
生成AIを活用して楽しく描いてみましょう😊
マンガを読む人はたくさんいると思いますが、自分でマンガを描く人はあまりいないかもしれません。
「マンガを描く」というのは、かなり高度なスキルが必要になるからです。
実際に描いてみるとわかりますが、話のネタもなかなか浮かびませんし、限られたページ数の中でうまくストーリーを構成するのも難しいです。
そして何より、「絵を描く」というのは、相当な練習をしないと思うようにいきません。
自分の絵を見て何度絶望したことか…
ですが、今の時代に生きる私たちはラッキーです。私たちには「生成AI」という強い味方がいます。
AIの力を借りることで、マンガ制作のハードルをぐっと下げることができます。
この記事では、ChatGPTや画像生成AI(Stable DiffusionやNovelAIなど)を活用してマンガを制作する方法を解説します。
下の画像は私が生成AIを使って描いたマンガの一部を抜粋したものです。
ここで描かれているキャラクターは画像生成AIを使って描いているのですが、キャラの一貫性も含めてなかなか自然に描けていると思いませんか?
この記事では、私が実際にAIを使ってマンガを制作する中で試行錯誤して得たノウハウを余すところなく解説します✨
なお、私の作品「夏のまほろば🌻」は下記の外部サイト(Note)でご覧いただけます。ご興味あれば見ていただけるととても嬉しいです♪
そもそも生成AIって?
生成AIってなんだっけ…?
はじめに本記事で必要な前提知識「生成AI」について簡単に解説しておきます。「生成AI」のことは十分知っているという人はここはスキップして大丈夫です。
「生成AI」とは文章や画像、音楽などを作り出すAIのことです。2022年ごろから急速に普及した技術で、マンガ制作においては特に「テキスト生成AI」と「画像生成AI」が重要です。
「テキスト生成AI」の代表選手は「ChatGPT」でしょう。どのような文章を作って欲しいかを人間が言葉で指示すると、その指示に沿った回答(文章)をAIが作り出します。 スピーチ原稿やメール、商品説明文、記事、小説などあらゆる種類の文章が生成できます。
「画像生成AI」は「どんな絵を作ってほしいか」をAIに言葉で指示をするとその指示に沿った絵をAIが生成してくれます。「Stable Diffusion」「Midjourney」「DALL・E」「NovelAI」などがあります。
画像生成には主に2つの生成方法があります。 1つめは「言葉から画像を生成する方法(Text to Image)」。そして2つめは「言葉+画像から新たな画像を生成する(Image to Image)」方法です。
Text to Imageは、「girl with cat」のように描きたい絵を言葉で説明し、それをもとにAIが絵にします。この「言葉」のことを「プロンプト」と言います。
Image to Imageは、ラフスケッチのような画像を元にして、新たな画像を生成する機能です。 この記事で説明する方法ではこの「Image to Image」を主に活用します。
漫画制作の流れ
よし…!何からどうしよう😓
全体の流れを確認してどこでAIを使うか考えましょう
生成AIを使って漫画を作るといっても、一から十までAIで作れるわけではありません。
まず、一般的な漫画制作の流れは次のようになります。
- プロット
- ネーム
- 下描き
- ペン入れ
これらの工程のどこでAIを使えるかを考えてみると、次のようになります。
なお、「3.下描き」もAIに描いてもらうという方法もあります。その場合は、Text to Imageを使うとよいでしょう。
では、流れに沿っていってみましょう!
プロット
ネタ出し
プロットではマンガのストーリーやキャラクターの「ネタ出し」を行いますが、この工程ではChatGPTを活用することができます。
具体的には
- キャラクター設定の深掘り
- エピソードのネタ出し
などに使えます。
ChatGPTは話の流れも理解してくれますし、「◯◯に関するアイデアを10個出してください」みたいな感じで頼めば、無限にアイデアを提案してくれます。
プロの作家であれば、編集やアシスタントの方と議論することもできるのでしょうが、趣味として描きたい(描いている)アマチュア漫画家の場合、そうもいきません。そんなときにChatGPTは良き相棒として活躍してくれるでしょう。
まさに優秀なアシスタントですね
たとえば、こんな感じです。
舞台が「田舎」ということを活かしたエピソードを5つほど提案してもらえますか?
より詳しく知りたい方はこちらのnoteの記事をご覧ください。
また、マンガ創作に特化したテキスト生成AIである「コミコパ」というサービスもあります。
無料なのでネタ作りにぜひ活用してみると良いと思います。私が実際に使ってみた体験記はこちらです。
キャラクター設定
キャラクターの外見を考えるときに画像生成AIを活用することもできます。
たとえば、「山ガール」を主人公にしたマンガを描きたいとします。
主人公の外見を決めるときにいくつかのキーワード、たとえば「ニット帽、おさげ、不満顔」をプロンプトにして画像生成AI(Text to Image)を使うと、さまざまなキャラクター画像を生み出せます。
それらを見ながら、アイデアを広げていくのもよいでしょう。
ある程度、イメージができているのであれば、自分でざっくり下描きを描いて、それをベースにImage to Imageで絵を固めていくこともできます。
ネーム
コマを割りながら、レイアウトやセリフを考えていきます。
ここは作者の個性や創造力が発揮される工程で、個人的にはAIの出る幕はないかなと思っています。
ペイントソフトで描いてもいいですし、スケッチブックなどに描いてもいいと思います。
と言っても、コマ割りとか難しいんですけど…
次に紹介する本を読んでみてください♪
「コマ割り」がよくわからなくて困っている人は、まず「マンガのマンガ 初心者のためのマンガの描き方ガイド コマ割りの基礎編」を読んでみると良いです。
マンガ専門学校の講師の方が描いている「マンガを描くための解説マンガ」で、コマ割りの基本的な考え方から実践的なテクニックまで「コマ割りの法則」をわかりやすく解説している本です。
さらにコマ割りの理解を深めたい人には、「もっと魅せる・面白くする 魂に響く 漫画コマワリ教室」もオススメです。Part1でコマ割りの基礎を解説した後に、Part2では「お題」を元にして実際に2ページマンガを描く実践演習という構成になっています。
下描き
画像生成AIが活躍する重要な工程です。
まずは、次の「清書」も含めて全体の大まかな流れを説明してから、具体的なやり方を順に解説していきます。
下描き&清書の大まかな流れ
画像生成AIを使った下描き&清書の考え方はざっくり次のようになります。
- ペイントソフト&ペンタブレットで下描きする
- 画像生成AIのimg2imgで下描きを清書する
- 生成した画像の気に入らない箇所を手描きで修正する
- 以降は、img2img→修正を納得できるまで繰り返す
詳しい流れ
より詳しい流れは下図のようになります。
なんか大変そう…
一つひとつはそれほど難しいことをしているわけではないです。順に見ていきましょう♪
必要な道具
最初に「下描き」で必要な道具である「ペイントソフト」と「ペンタブレット」について簡単にお話ししておきます。
ペイントソフト
マンガを制作できるペイントソフトでおそらく最も有名なのは「CLIP STUDIO PAINT EX (通称、クリスタ)」です。マンガのために便利な機能がたくさんありますし、使っている人が多いので、困ったときに情報が手に入れやすいというのもメリットです。
クリスタは「買い切り」と「サブスク」がありますが、サブスクなら980円/月から始めることができます。 クリスタ選びについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
ペンタブレット
ペンタブについては、以下の記事で【5000円以下の初心者向けペンタブ】をニーズ別にオススメしていますので、ぜひ参考にしてみてください。
あると便利な「Eagle」
必須ではありませんが、あるとすごく便利な画像管理ソフト「Eagle」についても紹介します。
AIマンガやAIイラストでは制作の中で大量の画像が生まれるので、その管理がとても大変です💦
本記事でこれから紹介するAIマンガ制作でも1ページあたり100枚を超える画像が発生すると思います。
「Eagle」は大量の画像ファイルを効率的に管理するためのソフトで、便利なプラグイン機能も使えばAIマンガ制作を大きく効率化できます。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
①ページ全体の下描き
基本方針
前工程で「ネーム」はできていると思うので、それに沿ってペイントソフト&ペンタブでページ全体の下描きを描いていきます。
ポイントは「ある程度、ざっくりと描く」ということです。丁寧すぎるのも、雑すぎるのも良くないです。
丁寧に描いて線を整えすぎると、この後の画像生成AIであまり変化しません。つまり、AIが描き直す余地がなくなってしまいます。
また、あまりにもざっくりすぎて、たとえば、棒人間レベルだと、その後のクオリティを上げにくいです。
「何が描いてあるかわかるくらいにざっくり描く」というイメージです。
キャラクターなら「髪型」「表情」「服装」「ポーズ」がなんとなくわかるくらいに描くといいでしょう。細かい部分は気にしなくていいです。
このときに使う「画材」や「線の太さ」には注意を払ってください。
太い線で書けば太めの線に仕上がりますし、細い線で書けば細めの線に仕上がります。この「線のタッチ」は基本的に清書の最後まで引き継がれ、途中の修正が難しいのです。下絵の時点で、なるべくご自身の絵柄に合わせた線で描くようにしてください。
下描きの「色」
そして、もう一つ重要なポイントは「色」です。
白黒マンガでも「黒」や「グレー」で色がついていますが、この「色塗り」の工程をどうするかによって下描きの方針も変わります。方針としては次の2つです。
- 色塗りもAIに任せる
- 線画はAIに描いてもらうが色塗りは自分でやる
色塗りもAI | 色塗りは自分 | |
---|---|---|
メリット | ・AIがいい感じに塗ってくれる | ・線画の修正がしやすい ・後からでも色を直せる ・色塗りの楽しみがある ・塗りで個性を出すこともできる |
デメリット | ・後から色を直すことが難しい | ・色塗りに対して、ある程度の慣れが必要 |
白黒マンガであれば色塗りはそれほど難しくないので、色塗りは自分でやるという方法にチャレンジしてみることをオススメします。その方が、この後の「④生成画像の修正」もやりやすいです。
やっぱり難しい、いまいちだなと思ったときは「色塗りもAI」に任せる方法にしてみるといいと思います。
■色塗りもAIに任せる方法
下描きの時点でグレーや黒で色を塗っておきます。
■色は自分で塗る方法
下描きでは色を塗らず線画だけにしておきます。
難しいポーズのときは…
ざっくりでも描くのが難しいポーズはどうすれば…?
ざっくりでもいいとは言っても、それすら描くのが難しいというポーズもありますよね。
そんなときは、超ざっくりな棒人間でいいです。このあとの清書の工程でAIにちゃんと描いてもらいましょう。
たとえば、私の場合、「抱きつくポーズ」がうまく描けなかったので、超ざっくりな下描きをImage to Imageに入力して、下絵のベースとなる絵を作成しました。
また、次に説明するように、画像生成AIの「Text to Image」で「下描きの下描き」を作る方法も有用です。
ポーズや構図が思いつかない…
そもそも構図が思いつかないんですけど…
うまい構図が思いつかない場合や難しくて描けない場合、「下描きの下描き」を画像生成AIで作るという手もあります。
たとえば、「2人の女の子が夏休みに田舎で遊んでいるシーン」を描きたいとします。
2人の女の子が夏の屋外で遊んでいるというようなプロンプトでText to Imageで画像生成してみると、いいアイデアが浮かぶかもしれません。
いい構図が生成されたら、これをトレースするようにしてざっくり下絵を描きます。このときに、髪型や表情、服装なども作品に合わせて変更しておきましょう。
②コマに分割&リサイズ
ページ全体の下描きができたら、Image to Imageを行うための画像を準備します。
クリスタで描いたページを画像ファイルとして書き出します。
メニュー「ファイル」ー「画像を統合して書き出し」ー「.png」で書き出しましょう。
そして、ページの画像をコマごとに分割していきます。
え?このページ画像をそのまま使うんじゃないの?
複数のシーンで構成されているのでそれは難しいです!
ページには複数のコマ(シーン)が含まれているので、これらを一度にImage to Imageで画像生成することはできません。1コマずつImage to Imageで画像生成していきます。
そのため、下絵の画像はトリミング(切り抜き)してコマごとに分割します。台形のような変形コマもあると思いますが、長方形か正方形で分割します。
そして、各画像ファイルは長辺が500~800px程度になるようにリサイズしましょう。
画像生成AIのメモリを節約し、処理を高速に行うためです。
特にクリスタでは100%の縮尺で画像書き出しすると、かなり大きなサイズになっているので、リサイズしないと画像生成時にメモリ枯渇を起こします。
アスペクト比(縦横比)はあまり気にしなくても構いませんが、極端に細長いコマだと画像生成でのクオリティが落ちるので注意してください。
複数の人物がいるコマの場合
画像生成AIでは複数の人物も生成することはできるのですが、プロンプトは個別に指定できません。
たとえば、1コマに2人の女の子がいる場合、「左の子はメガネのショートカットで、右の子はツインテールのメイド服」のような細かい指定はできません。
よってこのような場合は、基本的には1キャラずつさらに画像を分割します。
顔や体の一部だけのコマの場合
「目のアップ」や「顔が半分だけ」のコマなど、演出上、顔や体の一部だけのコマもあると思います。このような顔や体の一部だけをImage to Imageするとクオリティが悪くなりがちです。
少々面倒でも残りの部分も描いて全体がわかるようにしてからImage to Imageで画像生成した方がきれいな絵になります。最終的にページ原稿に取り込む段階でトリミングすればOKです。
清書(ペン入れ)
いよいよメインとなる清書の工程です。ここでは画像生成AIと協業しながら作業を進めていきます。
③画像生成(img2img)
前工程で準備した「下描き」をもとに、画像生成AIで清書を行います。
Stable DiffusionやNovelAIには、絵をもとにして絵を生成するImage to Image(img2img)という機能があり、これを利用します。
ここではStable Diffusion WebUIでのやり方を説明します。NovelAIでのImage to Imageの方法はこちらの記事を参考にしてみてください。
モデルの選択
モデル(checkpoint)を選びます。
マンガの絵のタッチを左右するのでこのモデル選びはとても重要です。
ご自身のイメージに近いタッチのモデルを探しましょう。モデルをマージして自分好みのモデルを作るのも手です。Stable Diffusionのモデル選びについてはこちらの記事も参照してみてください。
img2imgで画像生成
img2imgを開いて、画像をアップロードします。
プロンプト(呪文)を入力します。
等倍にするため「Resize by」で「1」を選択します。
Denoising strengthはどれだけ下絵から離れた絵を生成するかの度合いと考えればよいです。
0~1の間で0.01刻みで指定することができます。
値が小さいほど下絵に近く、値が大きいほど下絵から離れた絵になります。
0.6を超えると下描きから離れすぎてしまうので、0.3~0.5くらいが良いかと思います。
下描きの完成度などにもよると思うので、トライ&エラーでいい感じの値を探してみてください。
ある程度、納得のいく絵が生成できるまで何度もトライしましょう。この時点ではふつう、「これでカンペキだ!」という絵はできません。ある程度イメージに近い絵ができたらよしとして次に進みます
この過程でおそらく大量に画像を生成することになると思います。大量の画像の管理にはぜひ「Eagle」を使ってみてください✨スマートに画像を管理することができますよ😊
画像生成AIを使って修正する方法も
Stable DiffusionやNovelAIには「インペイント」という便利な機能があります。
これは画像の一部分だけをピンポイントで再生成できる機能です。
この方法を使って、気に入らない部分だけを修正するという方法もあります。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。
ただし、このインペイントでもうまく修正できないときもあります。そのときはあきらめて次に進みましょう。
白黒漫画なのにほんのり色が着いてしまう…?
下描きが白黒なら、生成した画像もほぼ白黒になりますが、まれにほんのり色がついてしまうこともあります。
「ほっぺの赤み」などです
これは、プロンプトにmonochomeをつけるとある程度抑制できます。
それでも色がついてしまう場合もありますが、クリスタの場合、このあとの工程で「グレースケール」に変換するので、それほど気にする必要はありません。
④生成画像の修正
通常、1回のimg2imgでカンペキに意図通りの絵ができることはありません。
そのため、このあとは、img2imgで画像生成→生成した画像をさらにimg2img→を繰り返して絵を洗練していきます。
なぜ修正が必要か?
このとき、何も修正を行わなくても絵のクオリティを上げていくことは可能です。
ですが、かなりのケースにおいて、「表情が意図と違う」「服装がちょっとヘン」「手指がおかしい」など「悪い特徴」がimg2imgを繰り返すことで強調されてしまいます。
たとえば、上の絵であれば「服装が変わってしまった」「汗をかいている」「握りこぶしに指がない」「髪の上部が描かれていない」など私の意図と異なる結果になっています。
途中で修正を行うことで、この悪い進化の流れを変えることができます。
たとえば、2回目のimg2imgでの生成画像に対して、手作業で微修正を加え、その画像をimg2imgで洗練していくと、イメージに近い仕上がりになりました。
修正の方法は2つあります。
- 手描きで修正する
- 絵の良いところを合成する
手描きで修正する
ペイントソフトを使って手描きで修正するのが基本の方法です。
修正とはいっても、不要な部分を消したり、必要な部分を描き足すくらいの微修正なので、それほどの画力やテクニックは必要ないことが多いと思います。この後にまたimg2imgで整えるので、カンペキにする必要はありません。
この絵の場合、本当はノースリーブにしたいのですが、長袖になってしまっていたので、そこを修正します。
手描き部分がなんとなく浮いてますが、それほど気にする必要はありません
CLIP STUDIOで③で生成した画像を読み込みます。
「輝度を透明度に変換」します。これで白い部分が透明になります。(複数の画像を合成してひとつのコマに仕上げるときに便利なのでこうしておく) また、少し色が載っている絵もこの時点でグレースケールにできます。
これで白い部分が透明になります。(複数の画像を合成してひとつのコマに仕上げるときに便利なのでこうしておく) また、少し色が載っている絵もこの時点でグレースケールにできます。
このままだと背景が透けています。背景を白にするために、「編集」から「キャンバス基本設定を変更」を選択して、用紙色を「白」に変更します。
絵を微修正しましょう。
表情やキャラの特徴的な部分(まゆげや髪のハネなど)、手指などの気になる部分を修正していきます。カンペキにする必要はありません。
この絵の場合、「長袖」を「ノースリーブ」に修正します。
描き終えたら、上部メニューの「ファイル」ー「画像を統合して書き出し」ー「.png」で画像をファイルに書き出します。
では、次のimg2imgに進みましょう。
※この時点で納得いくものができたら「⑥コマをページに合成」に進んでOKです。
絵の良いところを合成する
「この画像は顔はいいけど、手が変」「こっちは手はいいんだけど顔が変」というような具合に、生成画像の良いところを組み合わせれば良くなりそうなケースがあります。
たとえば、下の画像では顔と身体(手)をそれぞれ組み合わせることで全体として良くなりそうです。こんなときは絵の良いところを合成しましょう。継ぎ目が不自然になることもありますが、このあとimg2imgを行っていくことでたいてい上手く馴染みます。
ここでは
- 画像1:顔はいいけど手が変な画像
- 画像2:手はいいけど顔が変な画像
として説明します。
クリスタで画像1を開きます。
メニューの「ファイル」―「読み込み」―「画像」で、画像2を読み込む。
するとこんな風に新たなレイヤーに画像2が重なります。このレイヤーは透明ではないので、後ろの画像1は隠れている状態です。
画像2のレイヤーで体全体を投げなわ選択で囲みます。そして「選択範囲外を消去」します。
下のレイヤーと結合します。
必要に応じて、継ぎ目の部分を少し描き直してなじませます。
⑤ img2img→修正の繰り返し
修正した画像を再びimg2imgに読み込んで、画像を生成しましょう。
先ほどよりもイメージに近い絵になるはずです。
以降は修正→img2imgを納得できるまで繰り返します。
最後の仕上げとしてimg2imgを使うときは、Denoising strengthを低めにするとイメージをあまり変えずに、修正部分をなじませることができるのでオススメです。
⑥コマをページに合成
クリスタのページに戻って、完成したコマの画像を読み込みます。
画像を拡大する
このとき、生成画像は500~800pxくらいのサイズのはずなので、そのままクリスタに読み込むと小さすぎます。
そのため、まずは画像をきれいに拡大しておきます。さまざまな方法がありますが、私は「Eagle」という画像管理ソフトの「AI画像拡大」というプラグインで4倍に拡大しています。
その他の方法はこちらの記事を参照ください。(私は以前は「Real-CUGAN-GUI」という無料ツールを使っていました。)
画像をページに合成する
上部メニューの「ファイル」ー「読み込み」ー「画像」でコマ画像を読み込みます。
大きさ・位置をコマに合うように調整しましょう。
この時点で、セリフとの兼ね合いなどを見ながら、絵を修正するときには画像を「ラスタライズ」→「輝度を透明度に変換」するとやりやすいと思います。
以降は、②~⑥を各コマごとに行ってページを完成させます。
まとめ
生成AIをうまく活用することで、初心者であってもマンガ制作にチャレンジできるようになります。
マンガのネタ出しには「テキスト生成AI(ChatGPT、コミコパなど)」、絵の清書には「画像生成AI」を使うことができます。
ですが、これらはあくまでクリエーターを補助してくれる「便利なツール」と考えた方が良いと思います。最終的に作品を魅力的にするのは人間の「創造力・想像力」です。
AIの力を借りつつも、自分ならではの表現を磨いていきましょう♪
了解っす!
作品紹介「夏のまほろば」
AIを活用して制作した私のマンガ「夏のまほろば🌻」は下記の外部サイト(Note)でご覧いただけます。ご興味あれば見ていただけると、とても喜びます😆
大量の生成画像の管理に困ったら
Stable DiffusionやNovelAIで画像を生成していると、すぐに大量の生成画像がフォルダにたまってしまいますよね。
あとから「あの画像、どこだっけ…?」と思っても探すのが大変です💦
また「この画像はどんなプロンプトで生成したんだっけ…?」というのも調べるのが面倒ですね。
そんなときに役立つのが、画像管理ツール「Eagle」です。
「Eagle」ならこんな風に画像のプロンプトやネガティブプロンプト、Seedなどの情報を自動で登録して管理できます。
検索機能も強力なので、何百枚、何千枚という画像もバッチリ管理できちゃいます✨
「Eagleのことを知りたい」という人はこちらの記事をご覧ください。
Stable Diffusionとの連携には「Eagle-pnginfo」という拡張機能があります。
NovelAIとの連携は当サイトのフリーツール「NovelAI to Eagle」を使うと便利です。
NovelAIとEagleの便利な連携方法については、こちらの記事をご覧くださいませ。
Stable Diffusionを始めたいなら
本記事を読んで、Stable Diffusionで画像生成AIをしてみたいと思ったら、以下の記事もご参考にどうぞ!
✅Stable Diffusionを知る
✅Stable Diffusionを本格的に始める
Stable Diffusionを本気で始めるならグラフィックボードが搭載されたパソコンが必要になります。最適なパソコン選びについてはこちらの記事をご覧ください。
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